情報の視覚化やデザインプロセスを専門として「視覚的対話」の可能性を追究する富田誠准教授。
Kumikae-Noteの開発メンバーとしてもデザイン視点から様々なアドバイスをいただきました。
今回は、富田ゼミでデザイン学を学ぶ皆さんにKumikae-Noteを使用していただきました。
普段から、ふせんを使った授業を行っているという富田ゼミ。今回初めてKumikae-Noteを使用するにあたり、富田准教授はどんなテーマを設定したのでしょうか。
「今回のゼミでは、学生たちが〝Kumikae-Noteについてぺんてるの方に聞いてみたいこと〟を書いてもらい、全員で質問をマッピングした後に質疑応答の時間を設けました。大学の授業では、質疑応答の時間が静かになってしまうことも少なくないですが、Kumikae-Noteを使って『問い』を多角的に考えることで、充実した質疑応答の時間を生み出せると考えたからです。一般的にワークショップでふせんを使うときは、『問い』に対するアイディアや答えを出すときに使うことが多いですが、今回は『問い』そのものを創発的に作り出すことに取り組みます。
「普段はふせんをメモしながら貼ったり、事前に貼っておいて書きつけたりしますが、Kumikae-Noteはその必要がありません」と富田准教授。学生の皆さんも「商品名の由来は?」「ふせんはなぜこの2色?」など、テーマに沿ってスイスイとペンを走らせていきます。
10分ほど書き続けた後、模造紙に貼りながらマッピングへ。「Kumikae-Noteは台紙が硬くリング式になっているので立ちながらの利用も非常に便利です。また、模造紙に貼り付けたときにふせんがめくれず、上から書き足しやすいことも大きなメリットですね」と富田准教授。
「みんなで使ってみて実感したのは、『対話的な時間』を容易にもつことができたということです。『問い』を各自が量産することで、その後の質疑応答が流れるように続きましたし、ノートという形状だからこそ、立って会話しながら書き足す機会も増えたのだと思います」
最後に、富田准教授の考えるKumikae-Noteの魅力について聞いてみました。
「商品名が示しているように『くみかえて考えること』だと私は思います。人はなにかを創造するとき、『動き』が必要だと思っています。例えば、グラフィックデザインをするとき、写真や文字のパーツを用意した後に『これは違う』『これも違う』と何度も動かしながら最適な場所を模索します。空間的に動かすことで最適なかたちを模索するのです。これは、かたちだけでなく、思考も同じではないでしょうか。ふせんを動かし、自分なりに『くみかえて』いくことで新たな知にたどり着く。そういう点でKumikae-noteは、〝くみかえることで知識を創造する道具〟と言えるかもしれません」